結論:金額を比べる前に、条件をそろえる
ホームページの見積書は、書いてある項目も、含まれる範囲も会社ごとに違います。だから、届いた金額をそのまま並べても、実は比べられていないことがほとんどです。
比べられる状態にするために、先に確認しておきたいのは次の5つです。
- 相見積もりの条件:ページ数・修正回数・写真や文章を誰が用意するか・公開作業を含むかを先に決め、全社に同じ内容で伝える
- 権利とデータ:完成したサイトの権利がどちらに残るか。ページのデータを受け取れるか
- 解約と引っ越し:契約期間があるか。やめた後にサイトはどうなるか。移すときの手順と費用
- 更新と保守の範囲:公開後、誰が何をどこまでやるか。情報の差し替えは別料金か
- ドメインとサーバーの名義:誰のアカウントで契約するか
この5つに共通しているのは、どれも見積書の金額欄には出てこないのに、公開した後の自由度を決めてしまうという点です。逆に言えば、ここをそろえてから金額を見れば、判断の材料はかなりそろいます。
記事の後半では、当社Quickryがこの5つにどう答えているかを、料金と条件の実数で公開しています。他社さまに同じ質問をするとき、比べる相手として使ってください。相場そのものを知りたい方は、姉妹記事「まつげサロンのHP制作費の相場と失敗しない選び方」もあわせてどうぞ。
なぜ、金額だけで選ぶと後で困るのか
理由は大きく3つあります。
- 「一式」の中身が会社ごとに違う:「サイト制作一式 ◯◯円」と書かれていても、何ページ分か、修正は何回までか、写真や文章はどちらが用意するのかは各社の前提しだいです。ここが違えば、金額の差はそのまま「範囲の差」でもあります
- 公開後にかかるお金が、見積書に書かれていないことがある:制作費は見積書に出ますが、公開後の保守・更新・サーバーの費用は別紙だったり、口頭だけだったりします
- 権利・名義・解約の条件は、そもそも見積書に載らない:これらは契約書の側の話です。聞かなければ、契約するまで出てこないこともあります
私たちが「ホームページ制作会社の選び方」を解説している記事を検索し、上位に出てきた3本を実際に読んで数えたところ、実績・対応範囲・保守体制・担当者とのやりとりといった「制作中」の話が中心で、権利・データ・名義・解約といった「公開した後」の話は、3本とも触れていないか、ひとこと添えられている程度でした(2026年9月時点・当社調べ。上位3本を読んだ結果であり、業界全体の傾向を示すものではありません)。この記事は、後者に絞って書きます。
後悔しないための5つの確認
1. 相見積もりは「同じ条件」でとる
いちばん効くのに、いちばん抜けやすいのがここです。全社に同じ紙を渡すだけで、金額は比べられるようになります。先に決めておきたいのは次の4点です。
- ページ数:1ページで完結させるのか、メニュー・アクセスなどを分けて5ページにするのか
- 修正の回数:何回まで込みか。超えたらいくらか
- 写真と文章を誰が用意するか:撮影・原稿が含まれるかどうかで、金額は大きく動きます
- 公開作業を含むか:ドメインとサーバーの手配、公開の設定まで頼むのか、自分でやるのか
社数は増やしすぎないほうが扱いやすくなります。制作会社を紹介するメディアでも「2〜3社、多くても4社まで」という目安が紹介されています(出典:Web幹事「ホームページ制作の相見積もりは何社が正解?」)。社数を増やすほど、説明とやりとりの手間が増え、比べきれないまま期限が来ます。
なお、まつげサロンのホームページに何を載せるかが固まっていないと、ページ数も決められません。中身の整理は「まつげサロンのホームページに必ず入れる10の構成」を先に読むと早いです。
2. 権利とデータの扱い
「お金を払って作ってもらったのだから、権利は自分のもの」——そう考えるのが自然ですが、契約で決めていなければ、そうならないことがあります。
さらに、契約書に「著作権を譲渡します」と書いてあっても、それだけでは足りない場合があります。著作権法は、著作権を譲渡する契約において第27条(翻訳・翻案などの権利)と第28条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)が譲渡の目的として「特掲」されていないときは、これらの権利は譲渡した側に留保されたものと推定すると定めているためです(著作権法 第61条第2項/出典:e-Gov法令検索「著作権法」)。この2つは、ざっくり言えば「あとから作りかえて使う」ことに関わる権利です。将来ページを足したり、別の制作会社に手直しを頼んだりする場面で効いてきます。
※これは契約書の書き方についての一般的な説明です。個別の契約がどう解釈されるかは契約書全体の内容によりますので、判断に迷う契約は弁護士にご確認ください。当社は法律の専門家ではなく、ここでの説明は法的な助言ではありません。
聞くこと:完成したサイトの権利はどちらに残りますか/「第27条・第28条の権利を含む」と契約書に書かれていますか/ページのデータ(HTML・CSS・画像)はお渡しいただけますか/お渡しできない場合、私は何ができなくなりますか。
3. 解約と引っ越しの条件
始めるときの条件より、やめるときの条件のほうが差が出ます。ここは契約前にしか聞けません。
- 契約期間はありますか:あるなら、期間中にやめたときの扱いはどうなりますか
- やめた後、サイトは表示され続けますか:止まる場合、いつ止まりますか
- データはいつまでに、どの範囲でいただけますか:公開しているページ一式か、一部か
- 他社へ移すときの手順と費用:手順書はもらえますか。移す作業を頼むといくらですか
- データの保管はいつまでですか:解約後、いつまでなら再度お願いできますか
「初期費用なしで毎月◯円」という形のサービスは、月々の負担が軽いぶん、契約期間の総支払額とやめた後にサイトが手元に残るかの2点で中身が大きく変わります。金額の比較は、初期費用だけでなく「初期+毎月×契約期間」で行ってください。
4. 更新と保守の範囲
公開してからのほうが、付き合いは長くなります。「サポートします」「保守込みです」の中身は会社ごとに違うので、作業の名前で確認するのが確実です。
- 稼働の監視・SSL(安全な通信)とドメインの期限の管理・バックアップは含まれますか
- 文章や写真の差し替え(情報更新の代行)は含まれますか。別料金なら、1回いくらで、月に何回までですか
- 不具合が出たとき、どこまでが無償ですか。期間はいつまでですか
- 連絡の窓口はどこで、返答の目安はどのくらいですか
- 自分でも更新できる作りですか。できない場合、更新はどう頼みますか
最後の項目は見落とされがちです。管理画面のない作り(静的サイト)は表示が速く、公開の費用を抑えやすい一方で、お店の側で文章や写真を差し替えることはできません。どちらが良い・悪いではなく、自分がどちらを望むのかを先に決めて、契約前に伝えることが大切です。
5. ドメインとサーバーの名義
ドメインはお店の住所、サーバーはサイトの置き場所です。この2つの名義が誰になっているかで、将来の動きやすさが変わります。名義が制作会社になっていると、更新も引っ越しも自分の判断だけでは進められないことがあります。
聞くこと:ドメインの登録名義はどちらになりますか/サイトを公開するアカウントはどちらの名義ですか/アカウントの管理の権限はもらえますか/ドメインの更新料は誰がいつ払いますか/私のパスワードを預ける必要はありますか。
見積書のどこを見るか
金額の欄より先に、次の4か所を見てください。
- 「一式」の中身:一式と書いてある行は、内訳を出してもらう。出せない理由があるなら、それも判断材料になります
- 追加費用が発生する条件:ページを足したら、修正が回数を超えたら、打ち合わせを増やしたら、急いだら——それぞれいくらか
- 公開後の毎月の費用:書いていなければ「公開後は月いくらかかりますか」と聞く。ゼロならゼロと書いてもらう
- 契約期間と、期間内にやめたときの扱い:見積書に書かれていない場合は、契約書のどこに書いてあるかを聞く
当社Quickryの答えも、先に置いておきます
「5つを確認しましょう」と言う以上、まず自分の答えを出します。当社に見積もりを依頼されるかどうかにかかわらず、他社さまへの質問の比較対象として使ってください(2026年9月時点・金額は税抜を先に、カッコ内に税込を併記しています)。
| 確認すること | 当社Quickryの場合 |
|---|---|
| 1. 見積もりの条件 | プランごとに範囲を明記しています。ライト=1ページ・打ち合わせ1回・修正2回/スタンダード=5ページまで・打ち合わせ2回・修正3回/プレミアム=10ページまで・打ち合わせ4回・修正3回。追加の単価も先に決めています(ページ追加 30,000円〔税込33,000円〕/打ち合わせ追加 15,000円〔税込16,500円〕/修正の超過 15,000円〔税込16,500円〕・1回/お急ぎ仕上げ +20%)。含まれないものも一覧にしています(広告運用/SEOの本格対応/複雑なアニメーション/決済・会員機能/多ページのサイト/回数無制限の修正/法務チェック/写真撮影/本格的なブランディング/医療・金融の広告表現チェック) |
| 2. 権利とデータ | 当社がお客様のために制作した部分(デザイン・文章・ページのデータなど)の権利は、一括の場合は制作代金のお支払いがすべて完了しサイトをお渡しした時点で、月々払いの場合はお支払いがすべて完了した日から14日以内に、お客様へお移しします。お渡しするのは公開しているサイト一式(HTML・CSS・画像などのファイル)です。当社の制作用の元データ、使わなかった素材、画像を作るときに使った指示文は含みません。デザインはお客様の情報をもとに1件ずつお作りし、お渡しするのは最初のご提案で選んでいただいた案で仕上げたサイトです(選ばれなかった案のデータは、お渡しの対象に含まれません)。なお、当社が以前から持っている、またはこのサイトとは別に作ったプログラムや部品、制作の手順や知識は、当社に残ります。これらがサイトに組み込まれている部分も、貴社のサイトとして、期間の定めなく、手直しや他の制作会社への引き継ぎを含めてご自由にお使いいただけます。サイトに使うフォントや、当社がご用意した写真・イラストは、それぞれの提供元の利用条件のもとでお使いいただくものです。権利の扱いはご依頼の内容によって異なる部分がありますので、ご契約前に発注確認書でお一人ずつお示しします |
| 3. 解約と引っ越し | 一括は買い切りです。月々払いは12回で払い終わりで、途中でやめる場合は残りの回数分をご精算いただきます(お支払い総額は12回分と同じです)。精算が済んだ日から14日以内にデータをお渡しします。サイトを公開するアカウントはお客様名義ですので、そのまま公開を続けていただけます(下の「5. 名義」をご覧ください)。ただし、検証用に当社のアドレスで公開している期間がある場合、そのアドレスは当社のものですのでお渡しの対象には含まれず、ご契約が終わると当社のアドレスでの公開・管理も終わります(月々払いの場合、ご契約の終了から30日間は表示を続けます)。その場合、公開を続けるには、お渡しするデータをお客様の環境へ移していただきます(移し方の手順書つき・データのお渡しは無償。移設の代行は20,000円〔税込22,000円〕で承ります)。当社でのデータの保管は、サポートが終わってから3ヶ月までです |
| 4. 更新と保守 | 公開後12ヶ月は見守り(稼働の監視・SSLとドメインの期限の管理・改ざんの監視・月1回のバックアップ・障害時のメール窓口)を追加費用なしで含みます。情報更新の代行は標準には含みません——月3,000円(税込3,300円)のオプション(月1回・30分以内・翌月への繰り越しなし)、または都度 最初の30分5,000円(税込5,500円)で承ります。13ヶ月目からはサイト保守 月5,000円(税込5,500円)(見守り+情報更新 月1回)に切り替わります。当社の作業が原因の不具合(表示崩れ・リンク切れ・フォームが届かない等)は公開日から3ヶ月、無償でお直しします(1件あたりの作業時間には上限があり、超える場合は事前にお見積りします。原因をお調べする作業は無償です)。障害からの復旧作業は見守りには含みません(見守りは検知・切り分け・ご連絡までです)。当社の標準は管理画面のない作り(静的サイト)で、お店の側でご自身で差し替えることはできません。ご自身で更新したい場合は、別の作り方を個別にお見積りします |
| 5. 名義 | サイトを公開するアカウントと独自ドメインは、お客様名義でご用意します。取得の手続きは当社が代行し、費用と名義はお客様、管理の鍵は最初からお客様のものです。当社は担当者ごとにご招待いただく形で作業し、お客様のパスワードはお預かりしません。見守り・サイト保守の期間中は、作業に必要な範囲でアカウントにご招待いただき、その範囲で作業します。お預かりする権限の範囲は、ご契約前に書面でお示しし、ご同意をいただいてから設定します。権限はいつでも外していただけますし、終了のときは当社から外してご連絡します |
※月々払いは12回で払い終わり(途中でやめる場合は、残りの回数分をご精算いただきます)、13ヶ月目からは自動でサイト保守 月5,000円(税込5,500円)に切り替わります(事前にご案内します。保守はいつでも解約できます)。
※サイトの置き場所は、無料で使える枠から始められる構成を標準にしています。無料枠の稼働は提供している事業者の規約に従うもので、当社が永続的な稼働を保証するものではありません。稼働の保証が必要な場合は、有料のプランを別途お見積りします。
当社の料金そのもの(一括98,000円・税込107,800円から)と、相場の中での位置は制作費の相場の記事で公開しています。
そのまま使えるチェックリスト
そのまま声に出して聞ける形にしました。同じ5つを、当社にもぶつけてください。
- ページ数・修正回数・写真と文章の用意・公開作業について、この条件でお見積りいただけますか(=全社に同じ内容を渡す)
- 完成したサイトの権利はどちらに残りますか。「第27条・第28条の権利を含む」と契約書に書かれていますか
- ページのデータ(HTML・CSS・画像)はお渡しいただけますか。お渡しできない場合、私は何ができなくなりますか
- 契約期間はありますか。やめた後、サイトは表示され続けますか。データはいつまでに、どの範囲でいただけますか
- 他社へ移すときの手順書はありますか。移す作業をお願いするといくらですか
- 保守に含まれるのは具体的にどの作業ですか。文章や写真の差し替えは含まれますか。含まれない場合は1回いくらですか
- 不具合はどこまで無償で、期間はいつまでですか。連絡の窓口と返答の目安は
- ドメインの登録名義とサーバーのアカウント名義は、どちらになりますか。管理の権限はもらえますか
- 公開後、毎月かかる費用はいくらですか。ゼロなら、その旨を書面に書いていただけますか
よくある失敗
- 3社に別々の条件で見積もりを出させて、比べられなくなる:ページ数も修正回数もバラバラの3枚は、並べても判断材料になりません。先に条件を1枚にまとめてから声をかけましょう
- 安い見積もりに、公開後の費用が入っていない:制作費だけを比べると、毎月の保守・サーバー・更新代行が乗った後で逆転することがあります。「初期+毎月×契約期間」で比べてください
- ドメインの名義を確認せずに契約する:後から移そうとして、手続きの窓口が自分ではないと分かる——順番が逆だと手間が増えます
- 「サポート込み」の中身を聞かないまま契約する:見守りだけなのか、文章の差し替えまで含むのかで、毎月の実感はまったく変わります。作業の名前で確認しましょう
- やめるときの話を、契約前にしない:始めるときは誰も聞きたくない話ですが、条件を変えられるのは契約前だけです
まとめ|5つをそろえれば、金額は「比べられる数字」になる
ホームページの業者選びで起きる後悔の多くは、金額そのものではなく、金額欄に出てこない条件を確認しないまま決めてしまうことから生まれます。ページ数・修正回数・素材の用意・公開作業をそろえて同じ紙を渡し、権利とデータ・解約と引っ越し・更新と保守・名義の4点を聞く。これだけで、手元の見積もりは比べられる数字に変わります。
それでも「この見積もり、何を確認すればいいのか分からない」という段階はあると思います。Quickry Web相談室の無料相談では、お手元のお見積りやご要望を伺い、確認しておきたいポイントを口頭でお伝えします。他社さまのお見積りでも構いません。無理な売り込みはしません。
